【連載第5回】言葉の発達を促すサインとは

こんにちは。ぽかぽかステップこ・と・ばの鈴木です。
発語がある前に見えている大切なサイン

ことばを育てる「聞く力」と「伝えたい気持ち」

「うちの子、まだ言葉が出なくて…」

「同じくらいの月齢の子は、もうお話ししているのに」
そんなふうに、成長を心配されている保護者の方は少なくありません。

ことばの発達には個人差があると分かっていても、我が子のこととなると不安になりますよね。
でも、少し立ち止まってみてください。

発語がみられる前から、お子さんはすでにたくさんの方法で「伝えたい」気持ちを表しています。
今回は言葉が出る前に見られる大切なサインと、その関わり方についてお伝えします。

言葉の前に育っているもの
「伝えたい」という気持ち

言葉は、ある日突然ポンと出てくるものではありません。

その前には、いくつもの大切な土台があります。

赤ちゃんは、生まれた瞬間から泣いたり、笑ったりしながら、周囲の大人とつながろうとしています。
やがて成長とともに、視線やしぐさ、声などを使って「伝えたい」という気持ちを表すようになります。
この「伝えたい気持ち」こそが、言葉を育てる大切な土台です。

見逃さないでほしい
「言葉が出る前のサイン」
お子さんに、こんな様子はありませんか?

視線を送る
 ・欲しいものをじっと見つめたり、大人の顔を見て何かを伝えようとしたりする様子。
 ・視線は、言葉の前のとても大切なコミュニケーションです。

指差しをする
 ・「あれ見て」「あれ取って」という気持ちを指で示します。
  特に、面白いものを見つけて大人と共有しようとする指差しは、言葉の発達につながるサインとさ
 れています。
ジェスチャーを使う
 ・バイバイと手を振る、抱っこを求めて手を伸ばすなど、体を使った立派な表現です。
声を出す
 ・「あー」「うー」といった喃語も、言葉に向かう大切な練習の一つです。
  これらはすべて、言葉につながる**「準備のコミュニケーション」**です。
 ・言葉を育てる「聞く力」

「言葉を育てる」と聞くと、「たくさん話しかけなきゃ」と思われるかもしれません。

 もちろん語りかけも大切ですが、それと同じくらい大切なのが、お子さんの発信を受け取る力です。

 ・小さなサインに気づく
 ・すぐに反応する
 ・先回りしすぎず、待ってみる
 ・お子さんの気持ちを言葉にして返す

  たとえば、指差しで「あっ」と言ったら、 「わんわんがいたね」「車が走っているね」と、伝えたかったことを言葉にしてあげてください。

「伝わった!」という経験が、言葉を育てます。
 言葉が出るかどうか以上に大切なのは、
「伝えたら、ちゃんと分かってもらえた」という経験です。

大人が一生懸命理解しようとする姿勢は、お子さんにとって「伝えるって楽しい」「伝える意味がある」という安心感につながります。
その安心感が、次の発信、そして言葉へとつながっていきます。

最後に
言葉の発達には、本当に大きな個人差があります。

言葉がまだ出ていなくても、お子さんは確実に成長しています。
視線、指差し、ジェスチャー、喃語・・・

その一つひとつが、言葉への大切なステップです。
ぜひ、お子さんの小さなサインに気づき、応えてあげてください。
「ちゃんと伝わったよ」「あなたの気持ち、わかったよ!」

そんな関わりの積み重ねが、やがていろいろな形で表出されるでしょう。
焦らず、比べすぎず。

お子さんのペースとその子の表現を大切にしながら、一緒にことばを育てていきましょう。

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この記事を書いた人

ぽかぽかステップこ・と・ばの児童発達支援管理責任者。
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