【連載第6回】“聞く力”はこう育つ!発語の前に大切な土台づくり

「まだしゃべらない・・・」と心配になる前に、まずは『聞く力』を育ててみませんか?

「聞く力」は、ことばの理解や会話の基礎になる、とても大切な力です。
文字も、まず“読む力”が育たなければ書けないように、ことばも同じ。
話し始める前の段階で聞く力が育つことで、発語の土台が整っていきます。

まずは、この“聞く力”をしっかり育てていきましょう。

聞く力には、次のような要素が含まれます。

聞く力が育つプロセス
ステップⅠ:まずは「人」に注意が向く

・注意を向ける力(大人の声や動きに気づく)
・共同注意(同じものを一緒に見る)
・意図を読み取る力(大人の表情・仕草から意味をつかむ)
・音のパターンに気づく力(音韻の土台になる)
・簡単な指示の理解(「ちょうだい」「おいで」など)

子どもが大人を見る→声に振り向く→名前を呼ばれ反応しようとする。
これが聞く力の一歩になります。

家庭での関わり例
・近い距離で名前を呼ぶ
・顔を近づけてニコッとする
・子どもが見た瞬間に褒める(反応の強化)

ステップⅡ:同じものに一緒に注意を向ける(共同注意)

ことばが伸びる子に共通して、大人と同じものを共有しながら楽しむ時間があります。

家庭での簡単な遊び
・指差し「見て見て!」
・パペットで“視線を合わせる”遊び
・絵本の同じページを一緒に見る
・共同注意が育つと、「聞く準備」が整います。

ステップⅢ:音や言葉の“意味のあるまとまり”に気づく

大人が話していることが、だんだん“意味のある音”として認識されていきます。

家庭での実践
・実況中継のように話す
(例)「リンゴ、切るよ。トントン…はい、できた!」
・同じフレーズを繰り返す
・単語をゆっくり・はっきりモデル提示する

ステップⅣ:簡単な指示がわかるようになる

「ちょうだい」
「おいで」
「バイバイ」
これが進むと「ちょうだい」「どうぞ」「ありがとう」など、ジェスチャーや言葉でのやり取り(コミュニケーション)につながっていきます。

理解の成功体験は、そのまま「話したい気持ち」につながります。

聞く力を育てる“家庭療育”10の具体策

家庭でできる工夫
・動作つき指示
・大げさなジェスチャー
・成功したらすぐ褒める(0.5秒の法則)

1メートル以内の声かけを意識する
・遠くから呼んでも届かない。
・視界に入る距離で、ゆっくり・優しく。
短いことばで話す
例:
✕「お片づけしてご飯にするから椅子に座ってね」
〇「ごはんです」「座ります」
興味のあるものから声かけを始める
子どもの好きな物→注目が向きやすい→聞く成功体験が増える。
“待つ”を3秒意識する
大人が早口だと、聞く余白がなくなる。
目の前で動きを見せる(視覚手がかり)
物の提示をして名詞を言ったり、ジェスチャーを交えて動詞を添えたりすることで言葉と名詞や動詞がつながっていく
声のトーンを使い分ける
優しいトーン→聞く気持ちが育つ。
生活の中で同じ言い方を繰り返す
例:
「おふろ、ちゃぷちゃぷ」
「ねんね」「ごはん、んまんま」
→意味づけが進む。
強要より“共有”を意識
言わせようとすると逆効果。
大人が一緒に楽しむと、音・ことばがスッと入る。
反応できたらすぐ褒める
0.5秒以内に褒めることで、自分が行った行動が褒められたことを理解し、よい行動が強化される(0.5秒の法則)
テレビ・YouTubeの“流しっぱなし”は避ける
一方的な音声は意味づけが難しく「聞く力」に結びつきにくい。
見るときは“一緒に見る”ことで言語刺激に変わる。

まとめ

「聞く力」はことばのスタート地点。
発語がゆっくりに見えても、聞く力が育ち始めている子は、ことばの理解準備が進んでいます。

家庭での小さな関わりが、子どもの“ことばの芽”を大きく育てていきます。これらが育ってくると、ことばの“準備が整った”状態になりますよ。

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この記事を書いた人

ぽかぽかステップこ・と・ばの児童発達支援管理責任者。
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