―やる気が育つ声かけ・やる気がなくなる声かけ―
子どもは大人の声かけを「評価」ではなく、「自分へのメッセージ」として受け取っています。
そのため、同じ場面でも言い方ひとつで「やってみたい!」と前へ進めることもあれば、「どうせできない…」と思ってしまうこともあります。
今回は、日常ですぐ使える“やる気を育てる声かけ”と、“気づかないうちにやる気をなくす声かけ”を紹介します。
やる気を育てる言葉
子どもが新しいことに挑戦するとき、結果よりも「プロセス」に目を向ける声かけが自己肯定感や“やればできる”という気持ち=自己効力感を育てます。
・「やってみようか」
始めやすい雰囲気をつくる言葉です。
・「ここまでできたね」
できた部分を見つけることで、「次も頑張ろう」という前向きな気持ちが生まれます。
・「さっきより上手になってるね」
他人と比べるのではなく、“昨日の自分”との比較がポイントです。
・「どうやってここまで、できたの?」
本人の努力や工夫を振り返らせることで、成功体験を整理し、次につながります。
・「自分で選んでいいよ」
選択の自由は責任感と主体性を育てます。多数の中からだと迷う場合は、2択から始めると
いいでしょう。
これらの言葉は、結果がどうであれ「あなたの頑張りを見ているよ」というメッセージになります。
やる気をなくす言葉
普段無意識に使ってしまう言葉の中には、子どものやる気を低下させるものもあります。
・「なんでできないの?」
責められた感覚になり、「できない自分」に注目してしまいます。
・「早くしなさい!」
急かし続けると、焦りが習慣化し、やる気よりも不安が強くなります。
・「もういい!」
関係の扉が閉じられた感覚になり、「挑戦=嫌な経験」「何をしても否定される」になってしまいます。
・「〇〇ちゃんはできるよ」
比較は一瞬やる気に見えることがありますが、長期的には劣等感に変わります。
・「できて当たり前でしょ」
努力が認められない経験は、次への行動を止めてしまいます。
言葉は評価ではなく「認めること」
多くの保護者が「褒めることが大切」と思っていますが、実は大切なのは評価ではなく、事実を認めることです。
「すごい!」よりも「すごいね!できたね!」
「頑張ったね」よりも「頑張ってたね。見てたよ。」(承認)
この違いが、子どもの承認欲求を満たし自己肯定感から自信つながります。
子どもたちだけではなく、大人同士のコミュニケーションでも同じことが言えると思います。
例えば上司や同僚、パートナーから言われて「やる気が出る言葉」「やる気をなくす言葉」を想像し、子どもの立場に立って考えてみると理解が深まるかもしれません。
最後に・・・
子育ては100点を目指すものではありません。
完璧な声かけより、少し意識できる日が増えることが大切です。
できたこと、努力したこと、小さな成長を一緒に喜びながら、
子どもたちが「やってみたい!」と自分から動き出す力を育てていきたいですね。
【連載第4回】やる気を育てる! 効果的な声かけの方法

