【連載第3回】朝のバタバタを解消!支度がスムーズになる3つの工夫

こんにちは。ぽかぽかステップこ・と・ばです。
前回は、生活リズムの安定についてお話ししました。今回は、多くのご家庭で朝の大きな課題となっている「支度」について、具体的な工夫をお伝えします。

朝は、一日で最も忙しい「戦場」
「早く着替えて!」「ご飯食べて!」「もう出る時間だよ!」そんな声が、つい増えてしまう時間ですよね。
発達に特性のあるお子さんにとって、朝の支度は特に難しいものです。「次に何をすればいいのか」が分からない、複数のことを同時に考えるのが苦手、時間の感覚がつかめない。こうした理由から、支度が進まないことが多いのです。

工夫①:見通しを持たせる―「次は何?」をなくす
朝の支度をスムーズにする第一の工夫は、お子さんに見通しを持たせることです。
朝の一連の流れを、お子さんが自分で把握できるようにしてあげましょう。

具体的な方法

  • イラスト付きの手順表を作る:壁に貼って、やることを視覚化します。
  • マグネットで進捗を示す:終わったら裏返す、移動させるなど、見える化して達成感を味わう!
  • 「次は〇〇だよ」と声をかける:次の行動を先に伝えることで、切り替えがしやすくなります。

大切なのは、お子さんが「今自分は何をすべきか」「次は何をするのか」を常に理解できている状態を作ることです。見通しが持てると、不安が減り、自分から動けるようになっていきます。

工夫②:できたら、すぐほめる―小さな成功を見逃さない
二つ目の工夫は、できたことをその場ですぐにほめることです。
「全部終わってから」ではなく、一つひとつの行動ができたタイミングで認めてあげてください。「着替えられたね!」「自分で靴下履けたね!」と、具体的にほめることがポイントです。

なぜ「すぐ」が大切なのか
お子さんは時間が経つと「何に対してほめられているのか」が分からなくなってしまうことがあります。行動の直後にほめることで、「これをするといいんだ」という学習が定着していきます。
また、朝の忙しい時間だからこそ、ほめる言葉がお子さんのやる気を引き出します。「怒られないように頑張る」のではなく、「ほめられて嬉しいから頑張れる」という前向きな気持ちで支度ができるようになります。

ほめ方のコツ

  • 「えらいね」だけでなく、「自分で○○できたね」と具体的に
  • 表情や声のトーンも明るく、お子さんに喜びが伝わるように
  • できなかったことは指摘せず、できたことだけに注目する

工夫③:早くできたらご褒美タイム―楽しみが、次の日の意欲になる
三つ目の工夫は、早く支度ができたら楽しみな時間があるという仕組みを作ることです。
例えば、「7時30分までに支度が全部終わったら、出発までの5分間は好きなテレビを見ていいよ」というルールを作ります。

ご褒美タイムのポイント
時間をきちんと決める:「少しだけ」ではなく、「5分間」など明確に
タイマーを使う:時間が来たら終わり、という約束を視覚的に分かりやすくする。
ご褒美は毎日同じでOK:好きなテレビ、好きな絵本、好きな遊びなど、お子さんが楽しみにできるもの

「早くしなさい!」と急かすのではなく、「早くできたら楽しいことがある」というポジティブな動機づけに変えることで、お子さん自身が「頑張ろう」と思えるようになります。
そして、この「ご褒美タイム」は、今日だけでなく明日の朝の意欲にもつながります。「また明日も早く支度して、テレビ見るんだ!」という楽しみが、翌朝の行動を後押ししてくれるのです。

「できる」が増えると、朝が変わる
見通しを持つ、ほめられる、楽しみがある。この3つの工夫を組み合わせることで、朝の支度は驚くほどスムーズになっていきます。
最初はうまくいかない日もあるでしょう。でも、続けていくうちに、お子さんは少しずつ自分でから動くようになります。何度も声をかけなくても、手順表を見ながら自分で次の行動に移れるようになる日が来ます。
そして何よりあわただしさが減り、笑顔が増える。そんな朝を、一緒に作っていきましょう。

次回は、【「声かけのコツ」:やる気が出る言葉/やる気がなくなる言葉】のお話です。
朝の支度がスムーズになると、お子さんも保護者の方も、一日を気持ちよくスタートできます。小さな工夫の積み重ねが、大きな変化を生み出します。ぜひ試してみてください。

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この記事を書いた人

ぽかぽかステップこ・と・ばの児童発達支援管理責任者。
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